コロナウィルスの第4波「変異ウィルス」の感染拡大が猛威を振るっています。定住移住地域おこし協力隊のミッションの1つである空き家バンクは、移住促進とセットのミッション。都市部からの移住希望者が多くいらっしゃるので、地域とスタッフの安全を確保するため緊急警戒宣言が発令している間は、面会業務を自粛しています。
この期間を利用して、以前からなんとかしたいと悶々としていた水廻りのリフォームを決行しました。

築古物件の水廻り
現在の住まいは、築40年を超える昭和の香り漂うお家です。平屋で庭も畑もあってこの辺り特有の隣家が近接したロケーションでないところが気に入ってはいるんですが、どうして昭和の家っていうのは複数の内装材を多用してるんでしょうかね〜〜。床も壁も天井も水廻りのタイルもだし、そうそうサッシもバラバラです。リフォームや修繕を繰り返した結果なのかな。まあ、そんなところがとっても気になるわけなんです。
特に水廻りのタイルは、色や模様が入るので一等先になんとかしたいポイントでした。花柄とかじゃなかったから1年半我慢できたのが救いです。

いざ、スタート!
昨年5月、最初の緊急事態宣言が発令された時に定住移住地域おこし協力隊のDIYチームで離れをゲストルームにリフォームしました。その時「ペンキ塗りの成功の鍵は養生!」っと教えてもらったので、ここは丁寧に行なっていきたいと思います。
まずは床・壁・天井の清掃から。タイル面に油分が残ってたりすると塗料が乗りませんからね。その後、直付けされたバスルームのミラーやシャワーフックなど外せるものは全て外します。洗面はユニット式の洗面台だったのですが、うまい具合に上下にセパレートできたので、下だけ活用しようと思います。施工前のプランの段階では、セパレートできると思わなかったんで、カウンターを作るプランを考えてました。どうせなら高さも変えたいし、っとなると水道工事もお願いしないとと考えていたので、カウンター制作と工事費が無くなり大幅なコストダウンに繋がりました。
在来工法の水廻りは一般的に30年が寿命と言われています。このバスルームは新築当時のものなのか、はたまたリフォームしたものか謎ですが、モルタル壁やタイルにクラックが見られます。そのクラックをパテで埋めていきます。以前も補修をされたんでしょうね。ただ養生をせずにコーキングをしちゃった跡が。。この際、そこも綺麗に再補修していきます。養生は場所に合わせて複数の材料を使い分けます。広い面をカバーできるマスカーと曲線も貼りやすいマスキングテープ。ガムテサイズの養生テープの3種を使用してきっちり養生しましたよ。

塗りのキモ その2「シーラー」
下処理が終わったら下塗り剤を塗っていきます。うちの水廻りは、腰部分がタイル貼りで天井と壁はモルタルに繊維壁という仕様。THE昭和です。繊維壁が薄く禿げているところもあったので全部ゴリゴリ剥がすか〜っという考えも一瞬よぎったものの、「工期が伸びる=お風呂が使えない期間が伸びる」という理由で見なかったことしました。笑。繊維壁の上から塗っちゃいます。その分、水性のシーラーをたっぷり2度塗り。
タイル部分は基本的に塗料が乗らないので、当初はタイルonタイルという工法で上からタイルを貼ろうかとも考えたんです。でも、タイルの上にタイルを貼るということは、その分厚みが出るということ。ドアの収まりに支障をきたすので、他の方法を探していたところ、見つけちゃったんです。プロは保証ができないという理由でやりたがらないタイル塗装という方法。タイルはツルツルなので塗装が乗らないわけで、塗装しようとするとサンダーなどで表面に傷をつけなきゃならないらしいんだけど、DIY動画を投稿してる人たちの情報を見るにサンダーでも全く歯が立たないらしい。調べるとどうやらBenjamin Mooreの万能プライマーという下塗り剤がいいらしい。Benjamin Mooreといえば3,600色ものカラーを誇るペイントメーカー。微妙なニュアンスカラーが美しいのです。Benjamin Mooreの製品を使うなら色を選ぶのが楽しいなぁ〜などと思ってしまうのですが、今回使うのはプライマーのみ。本塗りのカラーは清潔感のある白と決めています。白はたくさんのメーカーから出ているのでコストパフォーマンス重視で選びます。どれだけコストを抑えられるかもDIYの醍醐味ですものね。

いよいよ本塗り
シーラーを24時間乾かしたところでいよいよ本塗りです。まずは天井と壁部分。浴室壁にも使えるという水性室内塗料。塗料ってどうしても塗ってみないと色がわからない。下地の色にもよるしね。ピュアホワイトとパーフェクトホワイトで迷ったんだけど、あんまり真っ白すぎるのも無菌室みたいで味気ないと思ってピュアホワイトにしてみた。しかし、シーラー2度塗りしてるのに本塗りの1度目は全く塗った感無し。。吸い込みすぎやろ〜〜。。
乾いてからでないと2度塗りできないので腰のタイル部分に移行。水濡れするところだし禁断のタイル塗装だし、少しでも長持ちして欲しいので、油性のアクリル塗料にしました。油性塗料はシンナーで希釈するので、水性塗料と比べてやっぱり匂いが。。
翌日、ローラーをぐいっと押し付けながら壁の2度塗り。どんどん吸ってく、吸い込まれていく〜〜。8kg缶があっという間に無くなって再注文。この頃になって、どうせやるならまとめて水周りをまるっと!と範囲を広げたことを後悔し始める。やっぱ面積広いと疲れるよね。
ペンキ塗りも飽きてきて、正直2度塗りなのか3度塗りなのかわからなくなって、乾いてから気になるようならまた日を改めてペイントすることにしょう。っということにしたのでした。

お次は床のタイル貼り
ペンキ塗りで結構疲労困憊。このままタイルに突入すべきか。。休息日を設けるか。。
でもな〜タイル貼るからペンキこぼしてもいいや〜って養生しなかった床のままじゃあなぁ〜。。。「よしっ!」っと気合を入れてタイルに取り掛かります。
まずは割付。今回用意したタイルは六角形のモザイクタイル。シートタイプなのでシートとシートの接合部以外は目地幅をそんなに気にしなくても良いタイプ。タイルonタイルという既存タイルの上から施工する工法でやってみます。
床一面にシートを並べ、余分なところはカットして割り付けていきます。1つ1つが小さなモザイクタイルだから排水溝や切り欠き部分も処理しやすい。本当に丁寧に施工するならタイルを半分にした半マスタイプも用意して割り付けるべきなんだろうけど、そこは目地で埋めちゃいます。笑。結構ラフです!
貼り付ける順に番号を打って割付完了。次は、洗面とトイレの割り付け。六角形のハニカムタイルは正方形と違って目がある。場所を変えても一方向に美しく繋がるように気をつけよう。

さて、準備ができたので、いよいよタイルを貼っていきます。
今回、自分の中でヒットだったのが、ステンレス浴槽の腰面のタイル施工。金属だから塗装だと剥がれやすいし、ステンレスは浴槽の熱で膨張するらしく、タイルを張るには接着剤がキモなんだそうな。これも検索して見つけましたよ。接着力は強力だけどゴムみたいに弾力があるってやつを。これを使って浴槽の腰から貼っていきます。この接着剤がベッタベッタ、白い壁を汚さないように櫛目を立てて伸ばしていきます。パッケージから絞り出してそのまま使えるタイプで慣れると結構扱いやすいけど、ステンレス用に用意したんで2kgだけ。床用にはタイルonタイルに良いというセメントタイプを用意したんでこちらに切り替え。セメント系の接着剤は、30分で貼れる量だけ練るようにと書いてある。硬化が早いってことね。なるほど。真面目に計って規定量の水を入れてネリネリ。。できない。。ザクザク。これでは伸ばせない。。塗ってみたけどボッソボソ。早々、規定量を無視して塗りやすい硬さに調整。こちらは櫛目は立てずに左官ゴテで慣らすらしい。シートが1列貼れる範囲に左官ゴテで伸ばすものの4mm均一になんて塗れないよ〜〜。まあ、こんなもんでいいだろ〜っとラフに伸ばした結果、目地からはみ出たセメントに後々悩まされることにこの時は気づいていない。
速硬化型のセメント系接着剤は、時間との戦い。30分とはいうものの、塗ってるそばから感触が違ってくる。1列貼るごとにセメントを練るを延々と繰り返し全てのタイルの接着完了。
お次はシートの紙をスポンジで湿らせ、ペロリンっと剥がしていきます。これがなかなかの快感! シートに残った糊をスポンジで拭き取っていきます。本当はこの段階で目地からはみ出た接着剤を補修しなきゃいけなかったんだよね〜。シートを剥がしてモザイクタイルの全容が現れたことに感動してしまって、補修を後回しにしちゃんたんだよね〜。それとステンレス用の接着剤は硬化した後も粘性があるので、カッターなんかで補修できるという頭があって、それがセメント系では通用しないことに気づかなかったのだ。。
最終段階。ここが一番きつかった!
さてさて、全てのタイルを貼り終わったら24時間乾燥タイム。目地入れの前に未接着な部分がないか確認します。足で踏んだり、手でなでなでしたりすると「ジャりっ」っとタイル同士がこすれる音がするのですぐわかります。ラフに接着剤を伸ばしてしまったために貼れてないところが8ピース分。部分補修なので、ドリンク用のプラカップに新たにセメントを練って、1つづつ貼り付けていきます。さあて、次ははみ出た接着剤の補修と思いきや、既に固まってセメント系だから固くて削れない〜〜。こういうことだったのね。今頃気づいても後の祭り。タイルの接着剤は目地材と同色にしましょう。失敗した時目立ちませんから。これからDIYをする方はこれ教訓です。いや〜そこまでは頭が回らんかった。ってか色の選択できなかったし〜。

引きずってても仕方ないので目地入れ開始。目地材も初めて練るので感覚がわからないものの、セメント系接着剤の塗りやすい硬さの感触を参考に規定量を無視しまくり。笑。目地材はゴムゴテで慣らしていきます。今回腰壁を禁断のタイル塗装にしているため、マスキングして塗装が剥がれたら厄介だと養生なしで目地入れを始めたため、コーナーや壁との接続部分が最初はおっかなびっくり。ゴムゴテだけではどうにもうまく収まらない。しかし、この目地入れも時間との戦い。考えているより水で練るんだから水で洗えるよねとばかりに細部は指で慣らします。そうなんです。最初に行ったクラックや欠けてる部分のパテ補修も平面以外は指で塗り込むのが良かったのを思い出したんです。ここからはスピードアップ! 人間の指は大したもんだ。半マスタイルを使わずに目地埋めでごまかそうと思ったエッジ部分も指なら綺麗に塗りこめます。ちょっとくらいはみ出したって大丈夫。後で拭き取り時にスポンジで綺麗に修正できます。

そして、ここからがいっぺんに3箇所の施工をいっちゃん後悔した工程。泣。目地材が半乾きの時に湿らせたスポンジでタイル表面の目地材を拭き取っていくんです。さっさとやらないとどんどん乾いて硬化していく〜〜。焦れば焦るほど目地の分までタイル面に伸びて、拭いても拭いても拭ききれない。接着剤がはみ出た部分も目地剤でカバーできたらと抱いていた淡い期待も打ち砕かれ、それでもどんどん拭き取っていきます。目地材の取説には手が荒れるので手袋着用と明記してあったものの、大雑把なもんで素手で拭き取ってました。バスルームから始めて、洗面、トイレと進んだところでどうも指先に痛みが走る。洗って手を見るとスポンジを握る右手全ての指の第一関節の外側が見事に擦れてる。ザラザラの目地材にやられました。でもね、絆創膏なんて貼ってられない。時間との戦いなんです。タイル貼りをチャレンジされる方は、是非とも水濡れOKなゴム手袋の着用をオススメします。


基本内装が完了
床・壁・天井が終わってひとまずベース部分は完了。ここまでの作業日数6日間。良く頑張りました。全て白にしたんだけど、壁の塗装とタイル塗装、床タイルの白がそれぞれ微妙に異なるので、白だけでも色の奥行きと温かみが出てニュアンスのある空間に仕上がりました。
そして、痛恨のミステイクであるタイル接着剤のはみ出しですが、施工完了の翌日、カバーするアイデアが舞い降りてきました。大袈裟ですね。その方法、家具の傷などにも利用する方法でレタッチと言います。白のペン型水性塗料(マジックペンみたいなやつ)が家にあったのを思い出したんです。モザイクタイルなんで目地幅は2mm。そこを塗るには丁度いい。早々塗り塗りしたところ。大成功でした。結果オーライです。初めての水廻りDIYで「よくやった」と自分を褒めてあげました。

次の工程。まずは電気から!
ここからは、洗面ユニットごと外してしまった照明の設置や細々とした水廻りのアクセサリーを設置していきます。
洗面は、ユニットの上の壁面から以前ブラケット照明がついていたであろう配線がむき出しになっていました。それを利用できればいいのだけれど、電気工事はプロに頼むしか確認の方法がありません。以前もお願いしたことのある電気屋さんに連絡すると、なんと当日来てくれるという。有難や〜〜〜! 照明のない暮らしを覚悟してたのに〜。

ブラケットの配線は確認できていたものの、洗面ユニットを外すまで電気配線がどうなっているのか全くわからなかった洗面エリア。洗面ユニットに隠れるようにぽっかりコンセント口が開いてました。電気屋さんに調べてもらうとブラケット用のスイッチとコンセントが両方取れるという。ラッキー! スイッチが付けられるかどうか確認せずに先行発注していたブラケットがつけられる〜。スイッチとコンセントは新規で設置してもらったものの。プレートは以前のおうちで使っていたステンレスのものを取り付けてもらいました。うんうん。いい感じ。ただし、やたらと高い位置にスイッチとコンセント用の開口部が開けられていたのが難点ではありますが。。手は届くので良しとしよう。
水廻りのアクセサリー選びは楽しい!
ユニットのミラーを外してしまったので、ミラーを取り付けます。このミラー高校生の頃、バイト代で買った初めてのインテリア用品。パイン材のフレームでした。管理人の全ての引越しに付き合っています。幾度となく買い換えようと思ったのですが、鎌倉在住時代に白く塗装されました。そうそう、鎌倉も木造の平屋でした。その後、マンション暮らしでしばらくしまいこまれていたものを2度目の木造平屋で再塗装して使うことにしました。物持ちいいわ〜。
そして、レトロな陶器のシェルフ。まるでず〜っとこの家にあったみたいに馴染んでるけど新品です。笑。タオルハンガーは紛れもなくこの家にあったもの。いかにも昭和なペパーミントグリーンだったのを黒マットに塗装しました。こういう小物を塗装するにはスプレー缶の塗料が便利です。そうそう、金属用のスプレープライマーも忘れずにね。

DIYで棚設置
やっぱり、洗面ボウル下の収納だけでは日々の細々したものの使い勝手が悪い。ということで壁面に棚を設置することにしました。
ホームセンターでエッジがR加工されたW1,820mm*D150mm*T25mmの杉材を1/2にカットしてもらいます。一緒に黒マット塗装の棚受けも購入しました。棚受けは棚板の奥行き2/3をカバーできれば荷重はOK。持ち帰り、切り口をサンドペーパーで滑らかにして、天然蜜蝋ワックスを薄〜く塗り込んで空拭きします。いい艶が出ました。この蜜蝋ワックスは、数少ない地元企業のもの、木材のメンテナンスに重宝してます。
実は今回、新規にインパクトドライバーを購入したんですが、ドライバー用途よりもコンクリートドリル用のアタッチメントが大活躍。電ドラ最強です!


水廻りのアクセサリーは本当に楽しい。選んだり考えたりしているとワクワクします。アクリルのタオルケースは、扉も開くし底に取り出し口も着いてて引き出せる優れもの。一目惚れして入手したものの使えずしまいこんでいたもの。スチールのティッシュケースは、壁付け楽し〜っと調子に乗ってポチったものの機能性抜群で使い易し。

棚があると何かを飾りたくなる。観葉植物が置きたいけど洗面所は窓がないので自然光が入らず徒長してしまいます。調子に乗りついでに自宅では置いたことがないフェイクの多肉をアレンジしてみました。真ん中の瓶たちはハーブチンキです。虫除けや化粧水に加工して使います。田舎暮らしだとこんな材料も庭や畑で育てられて重宝します。
トイレのこだわりポイントは。。
トイレは狭い空間だし、内装の色さえ変えれば手をつけるところはほとんどないんですが、どうしても変えたかったのが「ペーパーホルダー」。なんかあのプラスチックが好きくない。徹底的にシンプルなステンレスの質実剛健なデザインのものを見つけました。これだけ究極に清くシンプルだと付け方にも工夫が必要。2個付けしてホテルのレストルームみたいっと悦に入っております。笑。次に替えたかったのが、排水溝のメッシュ。入居当時ガムテープでべったりと塞がれておりました。多分、排水溝から虫が上がってくるんだと思われる。洗面の排水からムカデが上がって来たこともありますから。。田舎暮らしは虫との共存です。メッシュのままだと隙間から虫が。。しかし、せっかくついてる排水設備を塞いでしまうのは惜しい。いろいろ調べて「兼用ツバ広掃除口」なるものを見つけました。排水パイプの径と開口部の径から選びました。お次は想定外の交換。トイレの塗装準備の際にコーナー手洗いを外してみました。細部の塗装を仕上げるためには、外せるものは外したい。手洗いボウルを外し、Sトラップも外します。経年で錆が出ているものの磨いておくか。。っとひっくり返したところで、ぱっくりと亀裂が入っていることを発見! 水漏れはなかったものの、これは交換しなくては〜〜。しかし、こんな配管部品って名称分からんし検索するにも一苦労。Sトラップという名称なのはわかったものの、どうも細部の形状が違う気がする。古いままアップデートされずに来てますからね。でも、ここでアップデートしたものを設置するのは知識がないだけに不安。ひたすら同じ形状を探しまくり、ピッカピッカになりました。

思いがけず長引いているパンデミックで自粛する期間に水廻りを一新しました。素人ゆえの浅はかさで3箇所の水廻りを同時進行で行ってしまいました。水性と油性の塗料を使用したため、なるべく塗装道具を無駄なく使いまわしたいという発想からです。でもね、ローラーや刷毛なんか100均で売ってる時代。労力を考えたら範囲を決めて1箇所づつ施工した方がもっと丁寧にできたなぁ〜っと後になって思います。いい勉強になりました。途中の辛さと後悔が喉元を過ぎれば、道具も必要最低限でできたのは良いことではあります。
これからもちょいちょい細かなところはアップデートしていくし、好みに変えられるのがDIYの良いところ。設備の構造がわかるのも楽しいし愛着も湧くし。DIYオススメです!
それでは、hasta luego!!