こんな時こそDIY
新型コロナウィルスがどれだけのものなのか、何が何だかわからないまま4/7〜緊急事態宣言が発令されました。GWを控え帰省予定のメンバーも帰るに帰れずという状況の中、急遽三木里のゲストルームを作るプロジェクトがスタート。
その昔、子供部屋として使われていたという離れを定住移住協力隊フルメンバーで作り上げていく記録です。


2020.4.29 まずは床下チェックから

三重県でも緊急警戒宣言が発令され、移住コンシェルジュのお仕事も他府県からお越しいただく移住相談が叶わなくなり、急遽始めることになったDIY。まずは、現状把握から。
ミシミシと床鳴りがする床の一部を剥がして構造と損傷・劣化の程度を確認します。驚いたことに床は根太に直接12mmの床材が施行されています。これじゃあミシミシいうはずだ〜。基礎の状態もわかったので、必要な材料のリストアップと買い出し・発注を手配します。

さてさて、床の確認を済ませたらお次は早々に用意した天井と壁の塗装準備です。入念にマスキングを施し、下地材のシーラーを塗っていきます。今回の棟梁は、木工職人でもある移住コンシェルジュ。プロですからね。頼りになります。その棟梁曰く「塗装の仕上がりはマスキングとシーラーが決めて」だそうです。シーラーは透明のため画像では塗った感全く無しですね。。シーラーを乾かす間(約2時間)はランチタイムです。凄腕の棟梁が率いるDIYメンバーですから施工中の作業はほとんどお任せで管理人は3名の腹減り男子のランチ担当に徹してました。笑。


最初に小さな開口からしか確認していなかったので、根太の腐食が心配でしたが棟梁は概ね大丈夫だろうと。。基礎は部分的にモルタルが流し込まれているところと、土がむき出しの部分があるものの、こんなに土が乾いていることにびっくり。この辺りは山も近いし雨も降るときはどかっと降るんで、もっとジメッとしてるかと思ってました。棟梁は木工職人なので大工さんとは違うんですが、めちゃくちゃ仕事が丁寧で、必要と思われるところには根太の補強を入れてくれました。初日の作業はここまで。
2020.4.30 根太の防腐剤塗装から

2日目は朝一でホームセンターに寄って買い出ししてからの作業開始。壁際に残した床材は、取り外すのに細心の注意を持って臨みます。残りの床材を全て綺麗に剥がし、防腐剤を塗布します。防腐剤は根太の腐食を抑えるためのもの。
2020.5.1 再度の根太補強から3日目スタート!

3日目は、本格的な根太補強から始まりました。棟梁、根太は概ね大丈夫って言ったのは、交換しなくて大丈夫ってことで、このままで大丈夫ってことではなかったのね。。四方をぐるりと補強する作業はスタッフに指示し、棟梁は床材の選別と加工を行なっています。床材の継ぎ目が美しく連なるように1枚づつの長さを計算し、色味の異なる板達を馴染む配置になるようにレイアウトまで考えます。もちろんそこには切り欠きや収まり、ジョイントの微調整などにも配慮した地味でシビアな作業。壁との接地面は巾木との取り合いのため2〜3mmの隙間を作って床を張っていきます。

2020.5.2 床張りのシビアな作業が続きます

巾木のための壁との隙間は、床鳴りを軽減したり板の伸縮膨張にも対応してくれるそう。一口に杉材といっても木目が立っているものや赤みを帯びたものなど様々。掃き出し窓に面した床材は庭から部屋を見たときに一番目立つ場所。そういうところはどの材のどの表情を好むかなど施主の好みを一番に考えてくれるきめ細かな心配り。

2020.5.3 床張りが続きます
5日目。黙々と床張り作業が続きます。

2020.5.6 まだまだ床貼りそして最難関
実はこの部屋6畳ほどの広さなのですが、家の裏の擁壁ギリギリに建物が作られているため押入れの奥行きと床の奥行きが違っています。その上、部屋が微妙に台形のためコーナーが直角ではありません。また、押入れを支えるために床から柱が立ち上がっているのも曲者。棟梁は、「やっと木工らしい仕事」と意気込んで床材の加工に精を出してくれました。


2020.5.7 感動の床完成〜巾木の施工へ

押入れ下の厄介な細なが〜〜い三角ピースも隙間なくビシッっと収まり「おおっ〜〜」っと感動したものの、仕上げは床一面のサンディング。さすが木工職人。仕上げが丁寧です。次は、床が仕上がった感動もソコソコに巾木の施工に移ります。巾木は100mm幅の床と同じ杉の無垢材を使用します。しかも今回は2段回し。なおかつ入隅と出隅は留加工を施すという棟梁の技が炸裂。実はこの部屋、母屋と違って天高が低い。巾木を高くすることで部屋に広がりを持たせ広く見せることが可能です。そして、壁は漆喰仕上げを想定しているので、そのためにも巾木を高くして掃除を楽にするという側面もあります。

2020.5.8 巾木〜アクセントウォールへ

さてさて、巾木が2段回りました。壁が既存のままなので効果の程が現れてませんが、この後壁が漆喰で仕上がると巾木を2段にした良さが増します。お楽しみに。
そうなんです。次は壁面の施工に取り掛かりたいのですが、正面の壁が少し緩いようです。漆喰を塗ろうと考えているので、基礎となる下地が緩いとクラックの原因になります。「補強した方がいいと思う」と棟梁に相談されました。壁に貼られたベニヤを見て、木を生やしたらどうだろうと思いつきます。イメージしたヴィジュアル画像を見せると、棟梁も同じようにイメージしていたらしい。「ツーといえばカー」のレスポンスが気持ちいい。ここからは、ベニヤにフリーハンドで木を描いていきます。天井が低いので壁面だけで収めるとちんまりしてしまうので、ダイナミックに横の壁や天井まで枝を広げて生命力を表現(できたかな?)。描く側から電動工具の申し子が切り抜いていき、棟梁がピンタッカーで固定していく連携プレイ。


2020.5.9 漆喰塗装準備
補強を兼ねたアクセントウォールが出来上がると、漆喰塗装の準備です。塗装のキモはそう「マスキング」です。丁寧にマスキングしていきますが、この頃になると皆手馴れたものです。黙々と作業が進行します。

2020.5.10 いよいよ漆喰塗装、しかし。。

今回使用する漆喰は、DIY用に既に練り上がっているタイプで環境に優しいというもの。アスパラホワイトという野菜由来のネーミング。ワクワクしながら漆喰の梱包を解いていると、ササっと棟梁がコテ板を作ってくれました。うまく塗れるんかな〜とドキドキしながらいざスタート。結構ムズイ。コテ跡のない平滑な漆喰壁にしたかったけどDIYでは至難の技。もうみんな自由に塗りたい放題。4人で場所を決めて塗り塗りするものの、あれ?足りないんじゃない?? メーカーが公表している施工範囲を参考に必要数を購入したのに全く足りない。そんなもんです。DIYは。
無いものは仕方ないので、床のワックス仕上げに掛かることにしました。この辺の段取りと指示変更を即座にこなすのも棟梁の力量。ワックス用の塗り塗り道具の作り方を指示され、自分の道具は自分で作ります。今回使用するワックスは、尾鷲の誇る地元企業「小川耕太郎∞百合子社」の「未晒し蜜蝋ワックス」です。薄〜っく伸ばして乾拭きすると杉材がこっくりと艶やかな表情に変わります。

2020.5.13 最終工程
足りなくなった漆喰の再注文分が届いたので作業再開。押入れの扉は裏返してここにも漆喰を塗ったので扉が壁面の延長のように違和感なく収まっています。




面会自粛中に2週間で仕上がったゲストルーム。DIYメンバーのチームワークで完成することができました。改めてみんなありがとう! わいわいと合宿みたいで楽しかったね。
このゲストルームは、農林漁業体験民宿の許可を得て移住体験住宅として活用していきます。一般公開するお宿ではないけれど、尾鷲を始め東紀州に移住を考える人や二拠点居住を検討している方達にリアルな暮らしをお伝えする場所に育てていきたく思います。
それでは、hasta luego!!
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