獣害柵

もうすぐ年末年始休暇 そうだ獣害柵を作ろう

庭や畑のある一軒家に住めるというのは都会暮らしをしている時は夢にまでみていた憧れの状況。そして今、その暮らしを手にいれたものの、次から次へとやらねばならぬこと、やりたいことが増えてくる。獣害柵もその一つ。


移住して初めての去年の春は、鳥かご畑の奥の広場が一面耕したように掘り返されてて、何が起きたのか全くわからずお隣さんに尋ねると猪の仕業だという。ミミズを求めて掘り返すのだと。。3月後半には木なりの夏みかんをお猿が食べ散らかして敷地中みかんのカスだらけ。。休みになったら掃除をしようと思っていたらすっかりきれいに無くなってる。無精者だと思われてお隣さんが掃除してくれたのかと思いきや、鹿がきれいに食べたんやろ〜っという。そのくらいここは野生の王国。獣たちのパラダイス。

取り放題、食べ散らかし放題。。こうなる前に対策せねばということすら知らんかった。。

それだけ猪や鹿が自由に出入りしてるっていうこと。そうそう去年は6月に入って苗で貰ったミニトマトの鉢植えと挿し木したアップルミントをガッツリ鹿に食われたりもしたなぁ〜〜。

甘く見ていた獣害被害。すっかりきれいに丸坊主。泣。

うちの被害だけなら対策をしてない己が悪いわけで自業自得。しかし、お隣が鹿や猪の被害にあうということは、山側に位置するうちの敷地を通過して侵入する可能性が大。お隣とうちの界の石垣が落ちるたびに積み直しているお隣さんです。何一つ言われることはなかったけれど、大迷惑な話です。っということでずっと気にかかっていた獣害柵なのでした。

作る前に片付けないと。。

家の元持ち主さんが手作りしたであろう柵は月日を経過しボロボロ。。

実は柵がなく、まるっきりスッポンポンだったわけではないんです。元持ち主さんも獣害柵は施してました。ただ、経年による劣化でボロボロの状態。柵の意味をなさない様相を呈しています。このボロボロ加減も早く手をつけたかった理由の一つ。
しかし、こいつを撤去するのが一苦労。きっと補修を何度も繰り返したのでしょう。針金がぐるぐる巻きになってたりして分別するのが大仕事です。この獣害ネットを使ってるところはまだよくて、裏の方はトタンや廃材で一時しのぎの柵のような代物。こうなると獣害柵というより敷地内不法投棄。ビンやら缶やら割れた植木鉢やら石垣が崩れて下敷きになった柵もあります。これらの片付けで年末年始の休みが過ぎていくのでした。

やっと本腰を入れようと思ったのは

見た目の悪さや具体的な獣害被害もあって、早くなんとかしたいと思っていた獣害柵ではありますが、お金で解決するというのはスローライフのポリシーに反するのです。なるべくお金を掛けずにしかも納得のいく仕上がりにするかを試行錯誤するのも楽しみの一つ。今回機が熟したのは大量の漁網をいただくことができたからなんです。三木里の海は砂浜なので漁港ではないけれど、ここ以外の尾鷲は全て港をもつ漁師町。なんとか使用済みの漁網を手に入れたいと念じておりました。願えば通じるもんです。「漁網があるんだけど使う人いる?」というお声がけをいただきました。ハッピー田舎暮らし。

いよいよ柵作りスタート

さてさて年末年始には終わらせようと12月の初め頃から手をつけ始めた柵作り。まず、手始めは表側から。。景観もあるんですが、こちら側は元持ち主さんが途中まで作ってくれたしっかりしたフェンスの支柱があります。なぜか途中で終わっているのですが、うまく収まりを考えれば簡単にできそうです。休日を利用して一心不乱にネットを張っていると「カサカサ・ゴソゴソ」と枯葉を踏む音がします。息を殺してじっとしていると現れたのはむじなくん。ちょースローな動きで目があってものっそり逃げていく愛らしさ。

あれー見つかっちゃった〜っと逃げるのもスローなむじなことあなぐまくん。


そうこうするうちに年も明け、今年は猛烈な寒波が日本列島を襲っています。温暖な尾鷲でも雪が降り出来立ての柵にうっすら雪が積もりました。

朝起きたら凍てつく鉄扉を見てびっくり。今年の寒波は半端ない。

荒れ放題の雑木を。。

柵を作るということは、柵を作るスペースを整備することから。既存の工作物の撤去もしかり。伸び放題、荒れ放題になっていた雑木の撤去もしかりです。これが想像以上に大量。木々やブッシュの伐採は、ダニなど虫の発生しない時期でないと行えません。そんなこんなで切れるところは全て切ります。チェーンソーも使い方を教えてもらってなんとか使えるようになりました。そして目下やらなければならないことは、大量に伐採した槇や樒(しきみ)を焼却処分すること。山積みした大量の木々たちを前に終わりが見えない。。とは言ってもカルシファーは大好きなんで楽しいんですけどね。斧や鉈も使いこなせるようになったし。加えて大量の木々を焼却するということは、大量の草木灰が手に入るということ。畑に撒くにはちょうど良い副産物です。それにしても敷地をぐるりと獣害柵で囲むことができた喜び。当然一回じゃ終わりませんよ。この後二度ほどお猿に壊され補強と対策を施します。

一日中スッパンスッパン枝を打ち火にくべる日々。
敷地を取り囲む漁網の獣害柵。これだけの異形鉄筋がよくあったものだ。

先にも述べましたが、家の表の柵は既に支柱があったものに少し支柱を追加して獣害ネットから漁網を張り替えました。家の裏に残っていた柵の残骸はほとんどが木製の杭に金網を貼り付けたもので再生不可能。さてどうしたものかと考えながら残骸の処理をしているといろんなところからコンクリートの補強に使われる異形鉄筋が見つかります。20mmそこそこの鉄筋を打ち込んだところですぐ倒れるだろうと思ったものの、ここの地面はほとんどがゴロゴロとした石ばかり。土だけではないのでうまくハマると結構しっかり立ってくれる。なるべく同じ高さになるように等間隔に支柱を立て、そこに漁網を張り巡らして行きました。春になるまでになんとか間に合った獣害対策。既存柵の残骸撤去も含め全てが完了したのは2月の声が聞こえる頃でした。12月初めから早3ヶ月。。笑

この春は、鹿や猪が来ませんように。。
獣害対策の鳥かご畑も劣化が激しいので漁網でぐるっとラッピング。

やはり無事には済まされないか。。

3月に入り猪や鹿の被害は見当たりません。お隣さんにもたいそう喜ばれ、奮闘して柵を巡らせた甲斐があったというものです。しかし、木なりの夏みかんを狙って今年も奴らが現れだしました。2組の群が我先にと争ってみかんに近づき、なんと張ったばかりの網にしがみつきながら争うではありませんか。これではたまりません。早速獲物があるから来るんでなければ来ないとばかりに夏みかんを全て収穫。この時期は戦いです。笑。

四方八方からわらわらと集まるお猿たち。そこにぶら下がったらダメだから。。

全て収穫した夏みかん。収穫したからといって全て消費できるわけもなく。柵の外に「食べていいんだよ〜」と置いて見ました。しばらくは手をつけたような形跡は見られず、やっぱり野生の奴らは人間が与えたものは食わんのかいなと思っていたころ、やっと手をつけた瞬間を激写。ブレブレです。夏みかんの山から1つを抱えて石垣を登り、上手に剥いて食べてます。特に被害を被らなければ、程よい距離感で共存していきたいものです。

右から〉コソコソ〉よいしょっと〉むきむき

5ヶ月が経ちました

玄関先のロックガーデン。3月に植えたハーブたちが盛りです。

3月にはお猿たちに破壊されたものの修復と補強をし、その後の大雨でも損傷はなく今のところ猪や鹿に破られることは無いようです。お猿はどこにでも出没するので、奴らと本気で戦おうとするともう電柵しかないです。今はまだそこまでの対抗策は必要ないかな。柵が完成したのをいいことに早速植えたハーブが盛りになって来ました。今回の柵は、鹿が飛び越えようと思えば軽々超えられる高さです。夜になると鳴いている声はすぐ近くで聞こえるのでいないはずはないのですが、敷地内には入っていないようです。こうやって心置き無く無防備に栽培していられるのもいつまでかわかりませんが、ひとまず無事な今シーズンです。

それでは、hasta luego!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です